彼と私の関係〜もう1つの物語〜
「ありがとうございます」と小さな声で呟いた彼は私が降りる階に到着すると、そのままトイレへと駆けて行った。
気が付くとエレベータホールには3人立っていて。
「もしかして新入社員?」
男性からの問いかけに、私とベージュのスーツを着た彼女は同時に頷いた。
「えっ!」
――彼女も新入社員なの?
私はびっくりして目を見開いたまま彼女を凝視していると
「私、片瀬 真央<カタセ マオ>です。よろしくお願いします」
頭を下げてから私に目線を戻した彼女はフワリと微笑んで。
その笑顔はさっきエレベータで見た時よりもずっと幼く見えた。