彼と私の関係〜もう1つの物語〜
話している事も支離滅裂。
だけど、あきらかにどこかで調べたような知りえない事を知っている様子。
私だけが知っているという態度が、ますます奥さんの正気を奪っていたようで。
「藤井から話は聞いていたんだが、今まで知らなかった吉沢も気付いた。他にも営業社員の間で噂になっている事も耳に入ってる」
事実を第三者に突き付けられ、俯くしかなかった。
頭の上を社長の言葉が通り過ぎる。
「2人をこのままにしておくわけにはいかない。正直他の社員に示しがつかなくてね」
社長は御猪口を口に持って行ったのだろう。
ゴクリとお酒を飲み込む音が聞こえた。