彼と私の関係〜もう1つの物語〜
奥さんに嫌悪感を持っていても、子供は可愛いはず。
無意識に押さえた下腹部は、かつて拓海の子供が居た。
光を見る事がなかった我が子。
そう思えるだけでも苦しく愛おしいと思えるのに、この世に産まれて元気に育っている我が子を嫌いだと思えるのか?
――絶対に無理だと。
「俺はお前に嘘は付かない。これからは同僚としてだけじゃなく友人としてよろしくな」
高橋さんは佐々木さんにそう告げると、しばらく無言でカクテルを飲んだ後、席を立って店を出て行った。
知らなかった佐々木さんの過去を聞いて、私は涙を零していた。
穏やかな笑顔の下に隠れていた真実。