ノックの音


「あ!墨田ー!」

「ん、何」

「5時間目なんだっけ?」

「古文」



長い付き合いの俊平は、
わたしにいつも時間割を聞いてくる。


ちなみに、5、6時間目の用意は
わたしはとっくに済ませた。



「ありがとなー!」

「いえいえ」



仲野と田中がこっちを見てくる。


毎回そうなのだけれど、
その視線の意味をわたしは知っている。





ケータイを持って、わたしは教室をでた。






< 4 / 7 >

この作品をシェア

pagetop