月光~moon light~


「・・・ない?」


「あぁ」


「名前が?」


「あぁ」


「・・・・・」




一瞬、嘘ついてるのかと思った。


だって、この世界で名前のない人間なんているはずないって思ってたから。



でも、


「必要ならあんたがつけてくれてもいい」


男の言葉に本当なんだと思った。




「どんなのがいい?」


「好きな呼び方でいい」


「・・・・・」




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