神さまにおねがい!!~カミコイ~


 後ろを振り返ると背中から夥しい血を流した若い男性が壁に凭れ、ボクを見ていた。


 「……あなたは?」



 「……記憶がまだ…戻られていないようですね…ヴィーナスさま」


 彼はボクはヴィーナスだと知っていた…。


 「私は大天使…マクベス……あなた方…の意思を継ぎ…天界を護っていた…天使です」



 マクベスは喋るのも辛そうに、それでも…途切れ途切れでボクに話しかけた。



 「大丈夫か??マクベス」



 ボクは彼の背中の傷口を止血しようと自分の服の袖口を引き裂く。


 しかし…白いシャツの袖はすぐさま…マクベスの血で赤く染まった。


 「マクベス……」


 「私のことは……いいです」


 「しかし!!?」



 ヴィーナスとしての記憶はないが…マクベスはボクたちに代わって天界をこの世界
を護ってきた者…。このまま死なすわけいかない…。
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