Bコース
「どうしたのかすみさん?
なんだか大人しいけど。」


立川さんが、私の様子に気づいた。


えーと、なんて言おう。


「わかった。
お腹減った?
お茶と果物だけじゃダメだよね。
風邪引いてたんだから栄養とらなきゃね。」


私の様子は、お腹減ったように見えるのか?


とりあえず笑っとけ。


「ははは…。」


「ママ、なんかとろうか?」

「そうですね、お寿司でもとりましょうか?」


「そうだね。
じゃ、ママ、『伊藤』に電話して。」


ちょっと、『伊藤』って。

この辺で一番高い高級寿司屋じゃない。


出前なんてしてくれないんじゃないの?


「『伊藤』ですか?」


ほら、ママも困ってる。


「私の名前だして貰えば大丈夫だから。
あ、ママ、男の子たちの分も頼んで。」


スタッフまで寿司とってくれるのか。


「まぁ、ありがとうございます。」


ママ、笑顔が眩しい。


「おまかせで作って貰って。
かすみさんの分は、生ものは入れないように作って貰って。
まだ病み上がりだものね。」


立川さん、それ寿司の意味ある?
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