夢を求めて
小柳はリコが何か話すのを待つかのように後ろのベンチに腰を下ろした

リコはそんな小柳の視線を背中に感じ、心の内を見透かされそうで怖くなり立ちあがった

そして振り返って小柳に一礼しプールを去ろうとした時、リコは立ちくらみを起こし足を踏み外した


「危ない!」


小柳は言うのと同時にリコの体に腕をまわしリコを支えた

リコは体にまわされた小柳の腕を無意識に掴んでいた

「大丈夫か?」

小柳の言葉に我に返った

そして騒がしくなる胸の音と、立ちくらみで視界が歪んでいるのが怖くなり崩れるようにしゃがみ込んだ
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