ヤンキー君のお隣に♪<完結>

☆高倉優子Side




今から一年前の2月13日。



バレンタインの1日前。





私は初めて一目惚れをしました。






――――




「優ちゃん、ごめんね。先生インフルエンザになっちゃって…ゴホゴホ…」




当時中三だった私は公立高校の受験にむけて、ひたすら勉強する日々が続いていた。


冬休みから成績が不安になった私はママに懇願して家庭教師を雇ってもらった。



そして家に来てくれた家庭教師はママと同じくらいの年齢の女性、大沢先生だった。



大沢先生は朗らかで優しくて勉強もできて、私にはもったいないくらいの家庭教師。




だったんだけど、先生はバレンタインを目前にインフルエンザにかかってしまった。





「代理の先生頼んであるから、今日はその先生に教えてもらってね」




「うん、わかった。先生、ゆっくり休んでね」





電話をきってしばらくすると、玄関のチャイムがなった。





「はーい」





代理の先生ってどんな人だろ?


大沢先生みたいに優しい人だといいなぁ




私は期待に胸を膨らませて玄関の扉を開けた。





「大沢先生の代理をつとめます、北野です。どうぞよろしくお願いします」






ドキッ





目の前にいる長身の男性はイケメンだった。



まだ大学生くらいだと思う。




私は思わず

「私は、私の名は高倉優子です。15歳です」


勝手に自己紹介をしてしまった。




北野先生はにっこり笑いながら「よくできました」と言った。



先生の笑顔はテレビで見る俳優さんよりもきれいだった。




―――


こうして私は北野先生に恋をした。あれから一年
、今も家庭教師を続けてる。また北野先生と再会できることを願って。





―――

―――――



作者から



優子の恋のお相手は家庭教師なんです。



家庭教師って私はまだお世話になったことはないですが、そこから恋が生まれたら素敵な話ですよね。



優子ちゃんの恋は簡単には終わらせません。続編では恋が実るか、実らないかは別として、優子ちゃんが幸せになれるように頑張りたいと思います。



ではでは次は



智也の姉、香織Sideです。
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