気ちがい姫と俺様王子

退屈

「コーエン王子様、お誕生日おめでとうございます、心からの祝福を申し上げます。」

と、似たようなことを何十人に言われたことか。

コーエンは、それらすべてに笑顔を返しながらも心の中では、

<何度も言われんでもわかるわ! うるせーんだよ、この権力至上主義者《けん
りょくしじょうしゅぎしゃ》ども>

と、見事な(?)毒舌で皮肉ってた。

(ちなみに、権力至上主義者とは、簡単にすりゃ権力絶対! っていうやつらのことだ。 byコーエン)

挨拶をせねばならない人はもう全員終わり、そろそろ、くるかなと思っていたら、キタ。

「コーエン様ぜひ一緒にパーティを楽しみませんか?」

「コーエン様! ぜひ私と!」

「何を言っていらっしゃるの! コーエン様は私とよ!」

私よ、あら私よといろいろな女性が言い合う声に絶えられなくなったコーエンは、

「皆さんすみませんが、私用がありまして今日はこれほどでしつれいします。」

最後に笑みを浮かべて言うとたいていは、

「「「はぁ~い」」」

と、おとなしくなる。


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