ラスト・ゲーム番外編
窓から差し込む光はずいぶんと黄色味を帯びて、とっくに真昼を過ぎたことを俺たちに告げている。
引き出しの中をゴソゴソと探っていた麻子は、何かを見つけたようにぱっと顔を輝かせてこちらに向き直った。
「写真撮ろ!元!」
その手にはしっかりと握られたインスタントカメラ。
フィルムが余ってますので、と麻子は悪戯に笑った。
「ね、」
「ん?」
「今度はちゃんと笑ってよね、元!」
構えられたレンズの向こう。
「…わかってるよ」
一体何がおかしいのかというくらい、とびっきりの笑みを向けてやった。
「だいぶん片付いたね」
─この写真が現像されるころには、麻子は見知らぬ土地で、俺が知らない人たちの中で暮らしている。
それは寂しくて、もどかしくて…でもどうしようもないことだ。
「…だな」
麻子の隣に、俺はいるだろうか。
来年も、再来年も、こうして笑いあっていれるのだろうか。
先のことなんて、誰にもわからない。俺たちにできるのは、今という一瞬一瞬を刻みつけることだけなんだ。
振り返った麻子と目が合う。彼女はどこか寂しげな笑みを浮かべたまま、俺に言った。
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