私は先生のお嫁さん
「覚えてるか?

俺があの高校に入った時、お前が

『ちさともぜったい
あのこーこういく!』

って言ったの。」


覚えていてくれたんだぁ―…。


「覚えてるよ。
だって、あの時から私の志望校はあそこって決まってたから。」

「そっか。」

また、笑った。
今度は嬉しそうに…。


あの時のこと覚えていてくれてたなんて…思わなかった。


「受験、頑張れよ。
応援してる。

絶対に、来いよ。」


来いよ?受かれってことかな?

そんなの答えは決まってる。

「うん!絶対…!」




そしてついに…

受験の日がやってきた。

南君が朝、車で送ってやるって言ってくれて南君の車で学校まで来た。

車では南君の隣…つまり助手席に乗り、

南君が手を握ってくれていた。

「頑張れよ。
あんだけやったんだ。


絶対に受かる。」


「ありがとう!

じゃあ、行ってきます。」


絶対に…受かるんだ。


絶対に………。

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