私は先生のお嫁さん
また、あの顔だ。

凄く悲しそうな…辛そうな、だけど優しく笑ってくれている顔。


「…南と一つになるのは…その、ね…嫌じゃないの……。

だけど…やっぱり初めてだし…怖かった。

まだ…心の準備できてなくて…あの……待ってくれる?」

「あぁ、待つよ。

千里がいいって言うまで。

10年でも20年でも待つよ。」


そう言ってニカッて笑う優しい表情の南を見て、


私はすごく安心したんだ。


「…それじゃあ、ご飯作らないと!

なにか食べたいのある?何が食べたい?」

「千里が食べたい(笑)」

冗談交じりの笑いを含めながらも少し真剣な目をして言ってきた南。

私がまた慌てると、“冗談。”って言って頭を撫でてくれた。


南の真剣な綺麗な瞳と大きな手に…胸がときめいたのは…南には内緒。

「……馬鹿。

じゃあ、今日はシチューね(笑)」

「あぁ。

なんか買いに行くか?」

そう南が言った時だった。

トゥルルルル…


電話が鳴った。

電話のディスプレイには私の実家の番号が出ていたけどその電話の相手は南の両親だった。

「もしもし…。」

「あ、南?母さん達だけど…」

「なに、また日本に来てたわけ?」

「お願い!南…今すぐに千里ちゃんと一緒に千里ちゃんの実家に来て頂戴!」

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