向こう。
「………ぇ…?」

「だから、俺のものになれっつってんの。」

飄々と告げて来る舞瀬に、俺は思考が止まり、固まってしまった。

「あんたが気に入った。
さっきのキスも良かったし。」

「ちょっと待て!」

意味が分からない。
何故いきなりキスをするのかも、俺を気に入るのかも全く理解が出来ない。

言いたいことが纏まらず、頭でぐるぐると考え、黙っていると、舞瀬が俺の髪を梳きながら、耳元で囁いて来た。

「あんたもさっきのキス、良かったと思ってんだろう?」

ふと、キスの感触を思い出してしまい、無意識に頬を赤く染めた。
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