不器用な君等の唄へ
SS。クリスマス一週間前彼女は俺にこう言った。
雪が降りそうなクリスマス一週間前。
俺や透子や佐々木は、遊び仲間と夜、集まっていた。
菓子を広げて、好きな飲み物を注いだコップを並べて。
流石に未成年だから酒は入ってはいない。
透子の前には、殆ど必然的にミルクティーが置かれている。
佐々木は冬だっていうのに、アイスをくわえている。
…確かに、人口密度のせいでか暑いけど。
「はいよ。あんたが見たいって言ってた雑誌。」
「ありがと。」
ファッション雑誌を佐々木から受け取り、黙って読み始めた。