不器用な君等の唄へ

私の個人種目は障害物競走で、他は全部団体競技。

真っ直ぐ走る100M走や球部の為にあると言っても過言ではないボール入れ走に比べて、障害物は一番まともだと思った。
…あくまで私が。

「次。」

青が言って顔を上げれば100M走の佐々木さんの番。

周りだって陸上とかバスケの駿足を誇る人ばかりなのに。

全然動じていない。

ピストルの音と共に走り出したその姿はまるで…

「「新幹線…」」

私と青の声が重なる。

見合わせて笑った。

本当にそうだと思う。

銀色の蝶に続き新幹線て。



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