不器用な君等の唄へ




うわ…不機嫌そう。

隣に座り、膝に頬杖をついているのは音宮先輩。

…にしても意外。

想いが通じることで、人ってこんなに変わるもの?

あたしも誠と会ったことで少しは変わったのかな…。

止め止め!

もう1年も前のことなんだから!

「…さっきから顔が色々言ってんだけど。」

「はい!?」

寝てるのかと思っていたから驚いた。

夏の暑さがまだ残るこの季節は音宮先輩を苦しめるらしい。

夏は暑さに冬は寒さにやられて、この人は大変だな…。

「音宮先輩、何の競技に出るんですか?」

「出ない。」

「はい!?」



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