不器用な君等の唄へ

それでかホッとした顔をしている。

透子も種目には出ないみたいだけどちゃんと学校には来た。

高校最後の体育祭…

「紘波、野田。」

振り向くと透子。

「どうしたの、透子ちゃん。」

心配する野田ちゃんに、透子は顔を歪ませる。

不機嫌という顔ではない。

きっと体調が悪いんだ。

「気持ち悪い。」

「保健室行こう。」

あたしは言って席を立った。

透子を野田ちゃんと挟んで歩き出す。

「轟、部活動対抗リレーまでには帰ってくる。」

「あ、はい!」

良い返事。




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