不器用な君等の唄へ

そして、3年生の教室の掃除があった。

いつもの如く、自分からゴミ捨てに出た私は焼却炉の方へ歩いていった。

3年生は講堂で合唱練習なんだ…

歌声が響く講堂の方向を見て考える。

男子は玄関掃除らしく、青にとやかく言われずに済んだ。

「…うわぁっ!!」

躓いたんじゃない。

転んだのでも、ゴキブリが出たのでもない。

「お…音宮先輩!?」

校舎との段差のところにチョンと座り、棒付きキャンディを舐めていた。

白くて細くて柔らかそうな茶髪を持つ、美人な先輩。

「な…っ何してるんですか!?」



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