Wissenschaft vs. die Magie
たとえ1%でも可能性があるのなら
輸送機は私達の頭上をゆっくりと旋回しながら、機体後部のハッチを展開した。

「いけ」

鉄骨の上から飛び降りたルドルフ。

即座に背中の黒い翼を広げ、空中に浮遊する。

「俺の前に現われたからには、何か策があっての事だろう。そしてあの空飛ぶ機械が、その策を携えて貴様の元にやって来た…違うか?」

確かに彼の言う通りだ。

大統領の許可が下り、輸送機がM-388“Davy Crockett”を運んできたのだろう。

ルドルフを倒す為の最終手段。

『八王子君』

私のヘッドセットに、軍指揮官からの通信が入った。

『M-388“Davy Crockett”を積んだ輸送機が到着した筈だ。既に大統領の許可も得ている…後は君の手にかかっている。頼んだぞ』

「……」

私は返事できない。

この期に及んで、私はまだ決めかねていたのだ。

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