一言が。
今日から高2になる。

クラスも変わる。

ただ、昔から仲のいい白河陽菜(しらかわはるな)とは一緒になれた。

これほど嬉しいことはない。


ガラガラ


「おはよー」



「あっ、里麻。おはようっ!」


陽菜は眩しいくらいの笑顔で挨拶をしてくれる。

性格はほんわかしてて癒し系。誰にでも分け隔てなく接するし、優しい上に顔が整ってる。

まぁ、ようするに、モテる。


「陽菜、おはようっ!クラス一緒になれて私幸せだよー!」



「私もだよぅ〜!」


と言って手を取り合って喜んでいた。


「おいおい…ずいぶん態度がちがくねーか?」



…幸せな時間を…。ってうわぁ…

「朝の自己中男…」


「自己中だと?」



「あ。陽菜、先生きたから、戻るね。」


「え?あ、うん。後でねっ」


「おい、シカトかよ!こんの…後で覚えてろよ!」



何か言ってたが、気にしないでいよーっと。

おっ?あれ?


「ない…」


一時間目は現国。

しかし教科書を忘れたみたいだ。

しょうがない。隣にみせてもら…


「はい。」


「…え?」


声をかける前に差し出された教科書。

「教科書、ないんでしょ?…貸す。机寄せて。」


「…あ、ありがとう。」


まさかの一言。

…そんなに私挙動不審だったかな?

でも、助かることは助かる。


「あのー、迷惑かけるんだけど、紙も…もらっていいかな?」


「…」


うっ…さすがに迷惑かな…

「はい。…ちょっと模様入りだけど、もらってる立場なんだから文句は言わないでよ。」


「あ…ありがとう。…あれ?」

嘘…。
このキャラクターは…っ!

「何?文句なら受け付けな…」

「ねぇ、どこで買ったの!?」



「…え?」
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