知らなかった僕の顔
「そんなに慌てないで。少しくらい遅刻したっていいよ」
僕は彼女を落ち着かせた。


「よくないよ。急がなきゃ」
森若ちゃんは、足をバタバタさせている。

「バイクで行くんだから、スピードとか出したら危ないでしょ」
僕は、森若ちゃんの頭に手を置いた。

「大丈夫だよ。近いから」

「距離の問題じゃなくて。ホント、気を付けてよ」

「わかった、わかった。行ってきまーす」


森若ちゃんは、勢いよく玄関のドアを閉めた。


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