知らなかった僕の顔
「うん、そうなの。でもね、待つのが大嫌いだから、待ってる時のあのイライラした気持ちがよぉーくわかるの。待ち合わせた相手をあんな最低な気持にさせたくないの」

「ああ、うん。それはわかる」

「相手をあんな嫌な気持ちにさせるくらいなら、私が早く行って待ってやるって感じ」

「待つのも待たせるのも嫌いなんだ?」

「うん。よく考えればわがままな話なんだけどね」

「あー…でもさ、時間にルーズな奴って、人を待たせるのを何とも思ってないけど、自分が待つのもわりと平気みたいなとこあるな。それってなんか、人に対する鈍感さを表してる気がする」

「ホントだ!そっちよりはマシだね」

「そうだよ。矛盾じゃないんだね。人への気使いの度合いが表れる話だね」


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