奈良の都の妖しい話
年が明け、美羽子は少しずつ(半ば無理に)食欲を取り戻してきたが、東宮が体調を崩す日が多くなってしまった。

そして、夏に入ると以前から言われてきた東宮廃太子の声が更に増えてきた。

少数の反対派も次々と折れ、冬になることには廃太子の宣旨が今上帝によって下され、新東宮に今上帝の女一宮が立たれた。

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