奈良の都の妖しい話
「えー、教えて。」

「……わかった。」

そう言ったものの、黒矢はチラチラと美羽子を横目で見るばかりで何も言わない。

次第に彼は頬を染めていった。

「…あなた?」

「改まって言うとなると…恥ずかしくて…。」

黒矢は一度深呼吸をし、顔を引き締めた。

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