メモリーズ~I


ずっと 涙を流し続けて
何にも話さず ただ 抱き合った。



「俊哉? 寒いでしょ?
この前 俊哉からかりてたの
返すの忘れたから
それに着替えたら?」


「うん。ありがとう」


あたしはすぐに 自分の家に
入って 部屋から 着替えを取り出した。



玄関から叫ぶ。


「俊哉。あたしんちの
風呂場で着替たら?」


「ありがと。風呂場かりる」








何分かたって 俊哉が出てきた。



「華野の匂い 久々だ。」


「そう?」

あたしは 照れながら いった。












    そして、沈黙。




それを破ったのは 俊哉だった。



「久ぶりすぎて 何じゃべればいいか
分からなくなるね。」


「うん。」

あたしは うん。しか
言葉が返せなかった。

せっかく 俊哉が話してくれてるのに



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