この汚れきった世界で...
走って約15分。
俺たち二人は職場に着いた。ここはケイミア軍司令本部局本庁である。
いつもならケイミア軍第1軍基地行くところなのだが、今日は本部に来いと要請が来たのだ。

「ところでジョエル、本部が俺らに何の用だ?」
本部の入り口に差し掛かったところで、気になっていたことを話した。
「さぁ?俺も来いとしか言われてないからな。あれじゃないか?1軍に新たに人入るんじゃねーか?後あるとしたら、特攻要請とか?」
天然のパンチパーマの髪の毛をさすりながらジョエルが答えた。
「おいおい、人ならまだしも、特攻なんて言ってんじゃねーよ。冗談でも背筋凍るわ」
と焦り気味に答えた。
特攻と言うのは戦場に赴いた時に、サバイバルナイフ一丁だけ持って先頭を切って敵を押さえつける役割のことだ。
だから、ケイミア軍と敵軍の攻撃を受ける確率がかなり高い、要は死ぬ確率が95%以上あるということだ。
「もしも特攻要請だったら、死んでも断るぞ!」
ジョエルに怒鳴るように言い放った。
こいつに怒鳴っても仕方ないのだが...
「でもよ、いくら拒否権があったとして軍の特攻を拒否できたとしても、軍隊長であるお前は本当に殺されかねないぞ?」
ジョエルの言ってることは正しい。
今の幹部に情のある奴はいない。拒否権があろうと、奴らは逆らう奴は簡単に殺していった所を実際この目にしてる。第1軍全員じゃなくとも、軍隊長独断反乱という理由で少なくとも俺は殺されるだろう。
「・・・だからって、俺の軍の奴らをわざわざ殺されに行かせられるわけねぇだろ...」
そうつぶやいた言葉はとても重かった。

「まっ、そうと決まった訳じゃねぇんだ。気軽に行こうぜ」
とジョエルに、ポンッと背を叩かれ気持ちを切り替えてエレベーターに乗り込んだ。

乗り込んだエレベータには、案内としてきた至って普通の青年が乗っていた。



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