この汚れきった世界で...
数分後。
ドンッドンッ!
「レイ!もう起きてるだろ?さっさと行くぞ~」
毎日のように俺を呼びに来る友達?いや、同僚?んー友達?は相変わらず声がでかい。
その上図体もでかい。嬉しいのは心もでかいこと。俺の愚痴何も言わずに聞いてくれる奴だ。
・・・これだけ言えるってことはこいつは友達だな、ハハ。
ケイミア人は日、韓、中に近い面立ち背格好をしている。所謂黄色人種。
俺は親がケイミアと日のハーフだから、もちろん黄色人種ってやつだ。
こいつ・・・ジョエルは生粋の独生まれの黒人。人種差別ってやつはまだあるけど、昔に比べたらなくなったほうかな?
俺はこいつが白人だろうと黒人だろうと黄色人種だろうと、かまいはしないけどな。単純に心の優しい奴だし。

「今行くー」
そう答えながら俺はまだ椅子に座ってコーヒー飲みながらニュースを見ていた。すると、ジョエルが、
「10数えるからなー!それまでに出てこいよー!」
「はぁ!?子供か!?」
と、ガキみたいなことを始めた。俺が反論したが無視し、
「10~9~8~・・・321!10数えたぞ!」
「お、お前っ今8から3に飛んだだろ!?」
「仕方ねーだろ!俺こっちの言葉で8から3の間言えねーんだから!」
「はぁ!?じゃあ最初から数えんなよー!」
「お前が出てこないからだろー!!」
「・・・・・。」
そして敢えての沈黙。このまま続けたらキリがない。
「あれ?お、怒った!?ごめんっ!言い過ぎた!」
ジョエルは慌てて俺に誤ってきた。もうそろそろいいかとかぬかして俺は扉を開ける。
ガチャっ
そして憎たらしい笑顔をジョエルに向けて
「怒ってねーよ!ほら、行くぞ!」
と言い放ち先に走って行く。
ほぼ毎日これの繰り返し。ジョエルもよく飽きないなぁと思いつつも実は結構楽しかったりする。
まぁなんがあるとすりゃ、毎朝隣のおばちゃんに笑われることぐらいか。


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