夢を正夢にする夢
響加が貸してくれた本を読みながら、私はバスの中で妄想している。

妄想??

妄想・・・かぁ~~

夢の中の楠木・・・

「あの時の返事を・・・」

って言っていたよね・・・

それって、私が考えていたから見ちゃったのかなぁ・・・

考えていることを夢に見るまでになってしまったか・・・

私ったら・・・

凄いわね!!!

意思の力だわね!!!

妄想でも何でもいいんだ。

そう、ぶっちゃけ。どっちでもいいのよ!!


ただ、ちょっと・・・痛い。

胸が・・・

何・・・この、夢の内容・・・

泣きそうだ。

何だか、ギュっとする。

夢の中の、楠木の言葉が、頭で連呼してる・・

「俺は、俺・・」

そうね・・・

夢は、夢。

形にならない・・・



ほんの少しだけ、泣きそうになっちゃったじゃないのさ・・・

もう・・・




バスから、遠くを眺めた。
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