夢を正夢にする夢

(⑦)そう、これが真実。



猿ぐつわをされ。

後ろ手に手錠を掛けられ。

前髪を汗でひっつかせた状態の楠木が、廊下に転がっていた。

顔をしかめて、うめき声を出している。




「ヤダっちょっどうしたの!?」



硬直して動けない私。だけど、響加はためらわず楠木の元へ駆けつけて、猿ぐつわを外していた。

楠木は、涙目に猿ぐつわを外してもらうと、大きく息を吸った。


「テメーーーー!!!! ごぉるぅああっ」

ドキッ!!!!

顔を歪ませた楠木。

後ろ手と足に手錠をかけられたまま、こっちを睨んでいる。

こっち・・・

というか・・・

多分、私の横のこの人に・・・

火野上は、ツカツカと楠木に近寄り、肩に手を添えた。

「大丈夫かお前?」

「大丈夫かがあるか!!! 自分でやっておいて!!!!!」

ドキッ!!!

な、何よ何よ!!!

「悪い。まさか、階段から落ちるなんて思わなかったから・・・大丈夫か?」

「・・・それ以前の問題だろが」


た、確かに…

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