サヨナラのカタチ





「ホント、頼りない先輩だなあ」


苦笑いの達弥の肩を軽く叩く。



「仕方ないだろ。

もうあと3日しかないんだから。」


3日後…それは僕と麻衣が付き合い始めて1年経つ日であり、

僕と麻衣の未来が決まる日でもある。



「確かに、海外研修行くことずっと黙ってたんだから麻衣さん、傷つくと思います。


でも、俺の意見聞いたところでそれは先輩の逃げでしかないじゃないですか。


麻衣さんを傷つけたくないから、

他人の意見を借りて、

それで仮に麻衣さんを泣かすことになっても

自分の意見じゃないから心を痛めなくてすむ。

…そんなの、ズルイです。」



僕は苦笑いするしかなかった。

達弥は後輩のくせに…生意気すぎる。



「容赦ないなあ…達弥。


悩んでる先輩にむかって、

もう少し優しくしてくれてもいいんじゃないの?」



「…ヤですよ。」



達弥はグラスに残っていた残り少ないコーラをグイッと飲みほした。








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