【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》

私がキヨちゃんの言葉を頭の中で変換し終えるのと同時に、キヨちゃんがまた話を進める。



「日本で初めて、がっこで、ともだち出来た。沢村蜜柑、男。でこ、広かったから、あだ名、でこぽん。」



その当時からキヨちゃんのあだ名のセンスは健在だったらしい。



おでこの広さと蜜柑って名前を合わせて品種の名前をあだ名にするなんて…。



これが軽い話ならツッコミを入れたいところだけど、今は大事な場面だからグッと我慢する。



「でこぽんは、良く笑う、美味しそうに食べる、そんな奴。すごく、一緒にいて、楽しかった。」



キヨちゃんは思い出すように目を細めた。切ないような、楽しいようなそんな顔で。