【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》
キヨちゃんはやっぱりちょっと気にしているのか、なかなか動かない。



「キヨちゃん、行こ!」



だから、キヨちゃんにもらった沢山のものへお返しするためにも、今度は私が手を差し延べるよ。



キヨちゃんの繊細な造りの手を私はギュッと握る。



「二人も待ってるし、ね?一緒に行こう。」



私からこうやって触れるのは初めてだったから、キヨちゃんはキョトンとしてたけど



だけど、優しく目を細めて、コクンと頷いた。



キヨちゃんのこの手、この温もりは私が手放さない。絶対に。



例え告白してフラれても、親友として守っていくから。



きっと、旭もカゲも同じ気持ちなんだろうな、と思いながら、私達は二人の元へ歩いた。
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