雪花-YUKIBANA-


彼女と過ごした一年間の記憶を反芻することが、最近増えた。


それはたいてい、夜眠る前。

留守にしている隣のぬくもりを、僕は思い出の中に探す。


最初は……変な女の子だなって思ったんだ。


きれいな顔に似つかわしくない、
突飛な言動とおてんばな仕草。


けれど僕たちは似たもの同士だった。

僕も、桜子も、ひとりぼっちだった。


寄り添うように僕らは距離をなくしていった。

そして、家族になっていったね。


温かかった。


誕生日にホームパーティーをしてもらったのなんか、初めてだった。



けれど、いつしか彼女は“妹”ではなくなっていて。



家族から恋人になった日の気持ちを、今もはっきりと覚えている。


あれから何回キスをして、何回好きと言ったんだろう。


花火大会も行った。

その夜、初めて桜子に触れた。


あのときは本当に、本当に緊張して……、

そのせいかな、ちょっと泣きそうだったんだ。

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