雪花-YUKIBANA-
驚いてとなりを見ると、
薄暗い電球の下で思いつめた表情をする義広と、目が合った。
「会う前に、話しておいた方がいいかもしれない」
「え?」
「桜子ちゃんの、体のこと……」
心がざわざわと波立つ。
彼は僕を喫煙所に連れて行き、ふたり分の飲み物を自販機で買った。
ホットコーヒーをすする仕草は、まるで言葉を探す間を稼いでいるようだった。
そして、空になった紙コップをぐしゃっと潰すと、義広は僕の方に向き直り、
「実はさ……」
重い口調で話し始めた――
夜は静けさを増している。
窓から見える空は冴え冴えとして、星が静かにまたたいている。
東京の夜空とは思えないくらいに、キレイだな……
なんてことを、なぜかぼんやり考えた。
義広の話を聞き終えても、しばらく立ち上がることが出来なかった。
あまりの衝撃に言葉を忘れていた。