その瞳に映して。~先生に恋した私の恋愛日記~


「はぁぁやっと終わった!」

「繭~!!」

「おぉ!琴美!そっちの担任・・・・ウケる(笑)」

「でしょ~・・・おやじギャグ連発だから(笑)」


「「ハハハハハハハハ」」

2人同時に笑った。
こうやって琴美と過ごせる時間が大好きで・・・・嫌なことも何かも忘れてしまうくらい大好きで・・・琴美といると毎日が楽しくなるんだ。


その時忘れ物をしたと気づいた私。

入学式で持ち物は少ないはずなのに忘れ物をした私。

急いで校舎に戻ると、玄関に1人の先生がボーッと立っていた。

もう生徒はみんな帰ったと思ったのだろう。

もう校舎の玄関は鍵が閉まっていた。


ゴンゴンゴンッ


私は、必死で中にボーッとしている先生に訴える。

そしたら、ボーッとしてた先生が気付いて鍵を開けてくれたんだ。

「なんだ?もう下校時間は過ぎてるぞ~」

何、この喋り方・・・。かわいいし。

「あぁ~え~っと・・・」

「用ないなら閉めるぞ~5~4~」

な、なに!?この意地悪先生!!

私はカウントが終わる前に早口で「忘れ物、忘れ物!」って言って、セーフだったんだ。


私が急いで教室に戻って忘れ物を取って、帰ろうとするとあの先生が私に話しかけてきた。

「オマエ名前は?」

「さ、佐藤繭・・・です・・・」

「佐藤繭か・・・全部丸っこい感じの名前だなぁ~」

「面白い例えですね!」

「あれっ?言われたことない?」


私は、先生と話して、この先生面白い先生だなぁ~と思ったんだ。

ただそれだけ。

「んぢゃ、ぢゃな!繭~」

「さ、さよなら~・・・キャ・・・」

あいさつをした後に先生は私の頭を犬みたいに激しく・・・でも優しく撫でたんだ。

その行動に私の胸は少しキュンってしたんだ。



今思えば・・・この時から先生に恋をしていたのかもしれない。
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