歴史の星空に飛び込んで
ビクッと震えた肩を優しく土方さんが支えてくれた。
その手に力がこもる。
「誰ですか君」
沖田さんは刀に手を回しながら静かに言った。
「名乗る必要はない」
「ではなぜ彼女を渡せと言った」
斎藤さんは、久坂さんを見据える。
「答える必要もない。渡せぬのであれば力づくで…」
「やめなさい」
久坂さんが刀を抜こうとした時、止めの声がかかった。その声は、桂さんのもの。
沖田さんと斎藤さんでよく見えないが、桂さんは顔が見えないように蓑を頭にかぶっていて、正体はわからないようだ。
こんなところで捕まってはいけないから、よかったと安堵しながら、私は、知らずに一歩後ずさっていた。