歴史の星空に飛び込んで


「……そーだな」

「素敵ですね」

「ああ」



誠という字をよく見ようと真っ赤な旗を広げて見た。
しっかり金の糸で刺繍されたそれは新撰組そのもので

綺麗だ。とっても。



「私、この旗が好きです」



振り返って斎藤さんに言うと、斎藤さんは視線すぐに私からそらしてしまって

私は首を傾げる。



「……この旗を見て、人斬り集団の新撰組だと指をさす者もいる。血で染まっているのだと。
それでもか?」


え?と斎藤さんを見入った。



「……それでも。です。だって、本当の新撰組を知っていますから。助けられましたから、新撰組に。

私は、とっても綺麗に輝いて見えます。」






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