歴史の星空に飛び込んで


「菅野さん」

「へっ、はい!」


うわ、声裏返っちゃったよ……。
なんか増して恥ずかしいんだけど、
体温とか、これ以上上がっていいの?ていうくらい上がって、熱いっ、熱いよ!



俯いて、しかも目を泳がせて真っ赤な私はどうみたって挙動不審。

夜でよかったとほとほと思う。



「……………」


沖田さんの言葉をじっと待った。
沖田さんは今何を考えてるんだろう。

考えるけど沖田さんから声はかからない。

広がる沈黙。
このままじゃ私の心臓聞こえるくらい壊れちゃう。



どうしてこうなっちゃったんだろう……。




夜空が綺麗で、
沖田さんに見てもらって、



ああ、沖田さんの視線がいけないんだ。

まだ残像に残ってる、ジリッと焦がすような熱い視線が。



「菅野さんがやってきた日も、こんな綺麗な星空でした。」


覚えてますか…?と沖田さんは私の髪を梳いた。



「ここは、いつも夜星が綺麗です。それが寂しい時もあったし、

綺麗だな、ってただ見上げる時もありました」



沖田さんは聞き上手なんだと思う。

その声に安心してしまうからポツリポツリと下を向いてだけど話しはじめてしまう。



「今は?」

「今は、沖田さんがいるからどんな空でも大好きです…」

「私も菅野さんと見る空が大好きですよ。」


どうしよう。熱い。

流れるような動きで沖田さんの手が髪から私の頬に伝って顎をくいっと持ち上げた。

あ、目が合いました。






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