歴史の星空に飛び込んで


「あ、そうですよ」

「おー!!んじゃ一仕事待ってそうだなおい!!」


張り切っていく原田を笑顔で見送って、沖田は自分の手の平を見た。



命は弱い。彼女もすでに死んでしまっているかも。



人なんてそんなもの。



だけど、もう一度、あの笑顔が見たいと思った。



***


「古高の奪還に、長州勢が動きますね。ここに来るでしょう」


幹部の中で、山南が静かに唱えた。


「まずいなそれは」


と、土方


「そのためには、きっと今夜中にでも長州勢が集まって会合を開くだろうぜ」


永倉が声を上げて、視線が永倉に集まった。

お前、実は出来るやつなのか、的な視線。


「なんだよ皆、俺だって武士だぜ?」






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