へたれだって恋・・・らしきもの・・・をすることもある、て話~ヘタコイ~
「そんなことってあるのかな?」

「さあね」

レイはちょっと横を向いた。

話したくないみたいだったから、もしかしたらボクにいろいろ話してることを後悔してるのかもしれない。

「そうかも知れないっていうだけの話。ほんとのことは誰にもわからない。もしかしたら本人にも自分の気持ちがわからないかも知れないし」

またボクに向き直ってそう言った。


自分の気持ちがわからない・・・

ボクは・・・


「ただ、キミが二人の女のコを泣かしてるのは間違いのない事実だよ」

レイはそう付け加えた。


長いこと

ずいぶんと長いことレイと話したおかげで

それが本当だとわかった。


ボクは今までモヤモヤしていたこと、

そうじゃない

モヤモヤしていたことにさえ気付いてなかったようなこと

が、霧が晴れたように

なんだか一気にわかった気がした。


それは、

少しだけ

大人の階段を上るようなものだったかもしれない。


かなり無理矢理上らされた階段だった。

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