サクラ咲ク


「暇そうですね、悠希さん。」



その声に振り向けば、沖田さんがにっこりと笑っていた。


隊服じゃなくて、黒い袴姿。

長い髪を結うことをせず、ただその背中に散っている。




相変わらず、綺麗な人。





「何を考えてたんですか?」




そう尋ねながら、沖田さんは私の隣に座った。





「・・・諸行無常って、知ってますか?」




「諸行無常?仏の教えの一つでしょう?」




私の質問に少し訝しげな顔をしてそう答えた。





諸行無常。

仏教の根本思想の一つ。

この世に存在する一切のものは常に変転して生滅し,永久不変なものはまったくないということ。




永遠はないという、教え。





平家物語の冒頭に使われた言葉。







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