白猫
「……おぬしはあやつを殺すのか?」

「…無理に決まってるじゃない、そんなの」

「……クククッ、おぬしが殺さぬのなら小生が殺すぞ?」

白猫が楽しそうに笑うと

少女は殺気のこもった目で白猫を睨んだ

「…あんたは、なんとも思わないの?仲間を自分の手で殺すことをっ」

「……悪いが、小生には仲間意識というものがないのでな」

「……さっちゃん…」

白猫が笑ったまま少女を見ると

少女は悲しそうに呟いた

「…だからその名はやめろ……遙か昔にもう捨てた名だ」

白猫はそう言うと立ち上がって

酒を少女に押し付け

「……この世界は裏切りばかりだ…あやつに情を移し、味方をすればおぬしは全てを敵に回すことになる……よく考えておけ」

と言って、その場から消えた

残された少女は月を見上げ

目を閉じた

「…そんなのわかってるよ」

少女はゆっくりと立ち上がった

その目は、覚悟を決めた目だった

「……でも、私は」

“守りたいから”

少女はそう言うと空へと消えた
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