白猫
ガラッ

「……伸也」

「亜芽か……」

伸也が職員室を出ると

亜芽が壁に寄りかかり待っていた

「…早退、するの?」

「あぁ……警察に…たぶん事情聴取だと思う」

「…そっか」

二人の間に気まずい空気が流れる

「………」

「……大丈夫?」

「…あぁ、大丈夫だから…そんな泣きそうな顔するなよ」

亜芽が覗き込むようにして言うと

伸也は柔らかく儚く微笑んだ

「っ………」

亜芽はその顔を見て辛そうに顔を歪めた

「…来れるかわかんねぇけど、また明日な」

「うん…またね」

また先ほどと同じような笑みを見せ

伸也は鞄を取りに教室へと向かっていった

「………」

亜芽はその背中を辛そうに悲しそうに見つめていが

踵を返し、保健室へと向かっていった
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