─§温もりの虜§─
2人は観念したような顔をしていた


「千紗ちゃんは僕達をまったく覚えていないのかい?」


昴は小首を傾げあたしを見て言った


「ごめんなさい…でもこの間夢を見たの小さな子供達が遊んでいる夢を…もしかしたらそれがあたし達だったのかも…」


「きっとそうだよ…僕達は昔よく遊んでいた…だからご両親の事もよく知っているよ」


両親と聞いて千紗は小さく震えていた


「パパ…を…知ってるの…?」


"父親が死んだのは自分のせいだ"と強く思った千紗は両親との一番楽しかった頃の記憶に自然と蓋をしていた


「僕達の父親と千紗ちゃんの父親は友達だった…皆で集まる事も度々あっただから僕達も会っているんだよ」


「俺達は何時も千紗の取り合いだったけどなっ」


洋輔がニッと笑って言った
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