先生の天使
「お昼はお寿司にしましょうか?裕二好きでしょ?」

母がにこやかに言う。

「裕二君、お薬飲まないといけないから食べよ?」

綾香が言うと裕二はしばらく考えて分かったと言った。


「わ~お寿司~美味しそう~」
綾香はすっかりご満悦だ。
裕二はまたプッと笑う。

「今、笑った?」

裕二は顔を背けて

「ううん」

と肩を震わせた。

ムカッとしながら裕二の前にお寿司を持っていく。

「ほら!裕二君食べて!」

「う…うん…」

裕二が食べるのを綾香と母が見つめる。

まぐろの握りを一口食べる。

2人はほっとする。

裕二はその様子を見て口を尖らせた。

「そんなに見られても食べずらい」

その言葉に2人もお寿司を食べた。
お寿司がなくなると裕二は結構食べてくれたのでほっとした。

「ほら裕二、お薬飲んで?」

母が安定剤とお水を渡す。

「別に自分で管理出来るよ」

というが、母はひかなかった。


「駄目よ!あんた飲まないつもりでしょ?」

「えっ!」

驚く綾香に裕二は渋々飲んだ。


「夜、睡眠薬持って行くから」


「…わかったよ」

と裕二が言った。

そんなやり取りも裕二が喋ってくれててちょっと綾香は嬉しかった。
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