忘れられない人
陽菜は返事を出すまでの間に、龍二とテーブルの上に置かれているケーキを32回交互に見た。時々「えっと‥」「ん~‥」等と言う言葉を発しながら凄く悩んでいるようだった。その姿があまりにも面白かったので飽きなかった。
でも、しばらくすると龍二の方にも変化が現れてきた。陽菜が振り向いたときに右手を陽菜の頭の上に置いて固定した。
『もういいよ』
そう言いながら、一度微笑んだあと立ち上がった。真新しいソファーに座っていたのに、わざとらしく太ももの辺りに付いた埃を払ったりしながら。
そんな姿を見て、陽菜は龍二の方を見ないで言った。
『分かった。私‥龍二のペットになる‥』
緩んでいく頬を必死で止めて、その場に座りなおした。陽菜を見たら嬉しくて笑ってしまいそうだったので、しばらくは窓の外を眺めていた。
その表情はまるで、こうなることが分かっているように見えた。陽菜の性格を知り尽くしているからこそ、わざと「自分から断念する」という選択を選んだんだ。
優しい子なんだろう。自分のお願いを聞いてもらったのに、相手の約束を破ることはできないとでも思ったのか「承諾」という答えに辿り着いた。
でも‥陽菜の表情からして満更イヤでもなさそうだ。体をクネクネ動かし、既に「龍二のペットになる」というスイッチが入ったようだ。
こいつは誰が見てもMだな。
これ以上見ていると絶対に笑ってしまいそうだったから、二人から視線を外した。
幸せになってもらいたいな‥
俺の脳裏にあるアイディアが浮かんだ。
「そうだ!!龍二に予行練習をさせよう」
俺はある方法を使って、これから起こる事を夢で教えてやろう。
龍二、これから起こる事は「夢」であって「現実」ではないんだぞ。「夢」から覚めたとき、その先の行動は自分で切り開くんだ。
一瞬強い光が龍二を襲った。
でも、しばらくすると龍二の方にも変化が現れてきた。陽菜が振り向いたときに右手を陽菜の頭の上に置いて固定した。
『もういいよ』
そう言いながら、一度微笑んだあと立ち上がった。真新しいソファーに座っていたのに、わざとらしく太ももの辺りに付いた埃を払ったりしながら。
そんな姿を見て、陽菜は龍二の方を見ないで言った。
『分かった。私‥龍二のペットになる‥』
緩んでいく頬を必死で止めて、その場に座りなおした。陽菜を見たら嬉しくて笑ってしまいそうだったので、しばらくは窓の外を眺めていた。
その表情はまるで、こうなることが分かっているように見えた。陽菜の性格を知り尽くしているからこそ、わざと「自分から断念する」という選択を選んだんだ。
優しい子なんだろう。自分のお願いを聞いてもらったのに、相手の約束を破ることはできないとでも思ったのか「承諾」という答えに辿り着いた。
でも‥陽菜の表情からして満更イヤでもなさそうだ。体をクネクネ動かし、既に「龍二のペットになる」というスイッチが入ったようだ。
こいつは誰が見てもMだな。
これ以上見ていると絶対に笑ってしまいそうだったから、二人から視線を外した。
幸せになってもらいたいな‥
俺の脳裏にあるアイディアが浮かんだ。
「そうだ!!龍二に予行練習をさせよう」
俺はある方法を使って、これから起こる事を夢で教えてやろう。
龍二、これから起こる事は「夢」であって「現実」ではないんだぞ。「夢」から覚めたとき、その先の行動は自分で切り開くんだ。
一瞬強い光が龍二を襲った。