イケナイ関係。
あたしは今日も幹の家で幹を待っていた。
そして幹が帰ってきたらすぐ玄関に駆けつける。
「おかえり!」
「・・・おう。」
「なんで最近そんなに冷たいの?それに帰ってくるのも遅いし・・・なんでっ!?」
「別にいいだろ。」
幹は暗い表情であたしの横を通り過ぎた。


「なんであたしを愛してくれないの?ねえっ!!?」
そう言うあたしを無視して幹は風呂場へ向かった。


なんなのよ・・・っ!!あたしはこんなに好きなんだよ!?


幹が風呂からあがってくると同時にあたしは幹に言った。
「なんであたしのこと無視するの!?」
「うっせー。」
あたしはまた泣き出していた。
「ねえ!!幹!!なんでよっ・・・あたしはこんなに好きなのに・・・なんで幹は答えてくれないの・・・?」
あたしは幹の腕をつかんで泣き続けた。
幹は呆れた目つきであたしを見た。


諦めたんだ。とあたしは悟った。


すると幹はまたあたしを抱きしめてくれた。
だけど・・・いつもと違って・・・強く抱きしめてくれなかった。

「ねえ・・・もっと強く抱きしめてよっ・・・。」
もう腕がすり抜けてしまいそうなくらいしか幹は触れてくれない。
「ねえっ!!!」
あたしが強く幹の胸を押すと、幹が小さくつぶやいた。


「俺にどうしろって言うんだよ・・・・。」




そして――・・・痩せ細った幹は静かに床に倒れた・・・・。
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