ボスを継いだ少女
「私を馬鹿にするのもいいかげんにして」

「馬鹿になどしていない」

「でも…」



突然、部屋の空間が重くなった。

この感覚はお父さんものだった。




「アカネ、すべて本当のことなんだ。
アカネには内緒にしていたが、初の任務『神山ミコト』を監視する理由は『超越者』として目覚めているのかを知るためだったんだ」


「そもそもなんなのよ。『超越者』って」


「『想定内の能力値を超える超越者』、それは超越者だけで世界が滅ぼすことができるほどの力があるんだ。それが僕なんだ」


「なんであんたなのよ」


「それが運命だったんだ」


「わからない」




言葉の通りだった。何もできなかった。




「証拠を見せてよ」


「証拠ならあるよ。現場の近くの山が一つ消えたよね。あれは僕がやったことなんだ」


「…」


「それに大量のメスも僕が『具現化』したものだ。それが証拠だよ」


「嘘を言わないで…」
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