ボスを継いだ少女
私は『感覚』能力を使い、周囲に警戒した。









月の光が雲から現れ、部屋が明るくなった。









今まで見えなかった部分も見えるようになった。










椅子の横に一人の男がいた。








あいつは…










『青山トシゾウ』…








「やあ、よくここまで来たね」








「あなたは…」









私は『青山トシゾウ』目掛けて銃を構えた。










「どうしたんだい。私を殺しに来たんだろ」










「逃げたんじゃないの…」











「逃げる…馬鹿を言うな。
やはりボスが馬鹿だから部下も馬鹿なんだな」









『青山トシゾウ』は笑いだした。









私には信じられなかった。






自分の用意した軍が壊滅したというのにこの余裕がわからない。








「あなたは…」









「君のような若い子に殺されるなら悪くない。
しかし、少し話したいことがある」









「何…」







「この世界についてだ」








「…」











「君たち『W』…、いいや君たち『C』のやろうとしていることが正しいと本当にそう思うのか」












「私は『C』じゃない。私は『W』だ」
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